はじめに

海さくらは、神奈川県江の島の海に、かつて生息していたタツノオトシゴが戻ってくるくらい
海をキレイにする為に、2005年からゴミ拾いを中心に、さまざまなファンキーな活動をしてきました。
約9年間ゴミを拾い続けておりますが、次から次へとゴミはやってきます。中でも海岸には、タバコの吸い殻が多く、
ある時から吸殻を「1本」と数えるのをやめ、「1人」と数えるようになりました。
たった1日で、1,000人以上の吸殻が集まるときもあるのです。
悲しくなります。吸殻は、とても拾いづらいのです。
波打ち際の吸殻は、フィルターのみになっているものが多いです。街でポイ捨てされた吸殻は、川にでて、
海に流れつくまでに、葉っぱの部分がなくなっているのです。
タバコの吸殻を通して、「人」「街」「川」「海」そして「空」が繋がっているという当たり前のことを
想像していただき、再度目をむけてくれる方がいれば、街のゴミは減り、海のゴミも減ると思い、
この吸殻くんBOOKを誕生させました。
この吸殻くんは、世界的に活躍しているカメラマン上重泰秀(じょうじゅうやすひで)さんが、
ある日私に、「この写真でゴミは減らせないかな?」と素敵な哀愁たっぷりの
吸殻くんと夕焼けの写真を見せてくれたのが始まりでした。
たった一枚の写真から、いろいろな想像ができました。
今回は、ストーリーとなっておりますが、それぞれの写真をどうかゆっくりご覧いただき、
想像を膨らませてみてください。
吸殻が今年2014年4月22日からサンタフェ ナチュラル タバコジャパン株式会社と
テラサイクル ジャパン合同会社が協力し、アジアで初めて、吸殻の回収・リサイクルプログラム
「吸い殻ブリゲード」を日本で始めました。こういった吸殻への関心から、ポイ捨てがなくなればと願いますし、
是非、吸殻を集めてリサイクルに回す活動、「吸い殻ブリゲード」にもご参加いただけたら嬉しいです。
汚れた海は当たり前じゃありませんね。きっと、キレイにすることができると思います。

海さくら海さくら代表 古澤 純一郎

上重泰秀
写真:上重 泰秀 JOJU YASUHIDE

海岸には多くの吸殻が落ちている。この「吸殻」で「何か出来ないか」と考えた。人形を完成させたのが2013年1月。片瀬東浜の足跡のないコントラストの強い浜で初めて撮影してみると、月面を探検 する宇宙飛行士のようなカットになった。擬人化に成功したカットはどれも小さな生命が宿っているような不思議な写真だ。今回写真集という形で大勢の方の目に触れる事になる。そしてこれが小さなきっかけとなってポイ捨てが減るのなら、写真を通じて皆さんにメッセージを伝える事ができて本望 です。1986年 渡米、2005年までNYで活動。2001年に世界同時多発テロを取材、同年12月「Ground Zero」を出版。その後「NEVER TO BE FORGOTTEN」をNikonサロンで開催。2014年にオープンしたメモリアル ミュージアムに写真集と写真がコレクションされている。著名バレエ団の撮影も手がけるなど仕事は多岐にわたる。湘南在住。

田中恒介
挿絵:田中 恒介 TANAKA KOSUKE

1975年生まれ。株)レッドセルジャパン代表として多岐に渡るジャンルで精力的に創作活動に従事。KATHARINE HAMNETT、adidasなど大手ブランドにデザインを提供する傍ら、活動の原点である絵画の個展も六本木ヒルズハートランド等で多数開催。タバコのフィルターを使った巨大なカヌーや自転車をデザイン。ゴミであるフィルターに命を吹き込むような作風は近年作品の特徴の1つとなっている。

石合ゆみ
ブックデザイン:石合 ゆみ ISHIAI YUMI

街にポイ捨てされてしまった吸殻を拾い集めて命を吹き込み誕生した吸殻くん。制作していく過程で、どんどん愛おしい存在になっていきました。この吸殻くん物語を沢山の人に読んでもらいたいと思います。そして、日々、キレイな自然に癒され、自然の恵みをいただいていることに感謝して、地球を、海を、街をキレイにする活動をこれからも続けていきます。フリーランスデザイナー。 yum-i.jugem.jp

  • タバコフィルター自転車
    フィルター自転車
  • タバコフィルターカヌー
    フィルターカヌー